急がば回りこんでドロップキック

後藤あいといいます。

逃避行の目的と消極的楽観

アイスコーヒー飲んで、案の定眠れなくて、仕事をして、寝て、起きたら日曜のお昼だった。

それでもお腹は空く

東京はピザ以外にいろんなデリがあっていいなあ。選ぶのが面倒になって、一人暮らし時代にお世話になっていたピザを。

待っている間、しなきゃいけない仕事を見ぬふりして、久々にTVをつける。

暇つぶしのためにTVをつけたその行為が久々だったことに、この時初めて気付いた。

東京にいた頃は帰ってきたと同時にTVをつけるくらいのTV好きだったのに、TVが自由に見られない環境(自宅の部屋にはTVがないしリビングで家族とTV見るのは苦手)になると見なくても大丈夫になるもんなのですなあ。

TVを見ながら布団の上で、ピザを食らう。おいしいのかもよく分からない。TVに映ってた番組の内容はこれっぽっちも思い出せない。

誰得情報:後藤あいが好きなTV番組

くりぃむナンチャラ
お笑い向上委員会
のど自慢
ノンフィクション
水曜日のダウンダウン
脱力タイムズ
昔の凶悪事件蒸し返す特別番組

これだけは毎回見てる!好き!
(BSをチェックするほどではないけどTVは嫌いじゃないのです)

さーて仕事!!のはずだった

ピザを食べてTVを寝転がりながら無感情で眺めていたら、夕方になった。カラスが鳴くから帰ろうっていう曲の時報が聞こえて17時を知る。

え、もうこんな時間かい

大きめの独り言を言って、焦って体を起こし、洗濯。

本日の結末

お盆のうちにたっぷり仕事するぞ!

この旅の目的である家族についてのこれからを考えるぞ!

見たくもないTVを見ていたら、そんなのしないまま、夜になって、眠くなった。

東京ぽいおしゃれカフェで仕事しようと思って、シャワー浴びて化粧までした。

22時に出よう

23時に出よう

やっぱり今日は寝よう

総評

私の怠け癖は、環境を変えても、自称確固たる決意をもってしても、高ーい滞在費を払っても、変わらないようだ。

ライザップの時はたった2ヶ月がんばれないのかと思った。そして今日はたったの2週間をがんばれないのかと、自分にほとほと呆れていた。

人間は簡単に変わらない。

家族との関係を、離れて冷静に考えたいと東京に来た。

ここの居心地が良くて、考えることの重要性と必要性を忘れて、怠。きっと帰ったらまた同じように実家が嫌になる。

ちょっとそんな予感がし始める。

気づいた時、さあここから頑張りましょって思う。

でもその決意もすぐに忘れちゃうんだろうなってのも思う。

休暇とみなして、考えなきゃいけないこと、とりあえず忘れて今を没頭するのもまあ、意味ないことじゃないよな、と消極的楽観。

何で悩んでいるのかも、分からなくなって来ていた。

キスのあとのアイスコーヒー

なにかと気にかけてくれて毎回ご飯を奢ってくれる先輩の鏡みたいな先輩が、私にもいる。

彼はいつでも私の味方でいてくれて、確固たる信念と共に生きてるかっこいい先輩。彼と話すと自分がとんでもないダメ人間に思えて、悩んでないのに私悩んでたっけ?ってな気持ちにもなる。

せっかく東京行くんで会いたいって誘って、下北沢の、彼っぽいおしゃれなダイナーでピザをつまみにお酒を飲んだ。

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帰り際、彼は私に、キスをした。

昔、良い女はキスのハードルが低いんだよね〜っていう自分には到底理解のできない、ていうか理解したくもない法則を百戦錬磨系の人に教えてもらってから、良い女を演出したいという理由だけでキスは避けずにするように心がけているのだけど、今回もその法則がよぎったんだった。

彼は、
「結局俺ってそうなんだよな〜」
と言って落ち込みながら謝っていた。

「いいですよ、全然」
「私もドキドキしてる」
「彼女がいなかったら、朝まで一緒にいたかった」

心にもないことを平気で言う。

罪悪感を感じて欲しくない。
彼にとって楽しい時であってほしい。
どうせ、明日になったら忘れてしまうんだから。
どうせ、奥に控えるのは性欲なんだから。

駅までの道を速度を落として歩きながら
私にもあったモテ期(軽微)時代を知っていた彼は、
「数々の男があいちゃんで落ちた理由がわかったよ」
と言う。

彼本位だったキス。それを私のせいにしてるような気がして、ちょっと腹が立つ。

好きな先輩が。貴重なプラトニックな男友達が。キャリアのこと、哲学っぽいこと、人生のこと、いろいろ話したのに、私にはインパクト強くてそれしか残らなかった。どいつもこいつも。悔しい。悲しい。残念。

帰って寝る気になれず、遠回りしてカフェに寄る。注文を聞きにきた店員さんの笑顔に感情を見ることができず、私は笑顔でアイスコーヒーを頼んだんだった。

眠気を取り戻したくて寄ったカフェで頼んだアイスコーヒー。苦くておいしくて、一気に飲み干した。

やっぱり私が悪いんでしょうか。

3連休の1日目、渋谷の住宅街、ゴミステのおじさん

3連休初日。友人がウィークリーマンションの近くで飲み会を開いてくれたので、歩いて帰ることができた。

5m間隔でネットで隠した燃えるゴミ。ああ、明日はゴミ日か、溜めに溜めたいらないもの、帰ったら出そうと思った。

5mおきのゴミステの密度、浜松と比較する。そんな変わらないけど、浜松では夜にゴミ出しする人はいない。早起きだから収集の時間に間に合うように出せるんだよねえ。

坂の途中のゴミステで、ガサガサと音が聞こえた。

見ないように見ると、おじさんがゴミ袋を指で破って、中をチェックしていた。そばに停めてた彼の愛車らしきチャリのカゴは、50%くらい何かで埋まっている。1時を過ぎていて暗く、見ないように見たくらいだったけど、綺麗なものは詰まっていないのはオーラから感じ取ることができた。

彼の横を通り過ぎると、その3m先に「日本はもっとよくなる!」と政治家のポスターが目に入る。ゴミを漁っていたおじさんはこの言葉、信じているだろうか。そもそも彼の目までしっかり届いているだろうか。

もっと先を歩くと「最良の環境、この街に住んでみませんか」っていう不動産屋の看板を見つける。安っぽいフォントだなと感じてから、少なくとも彼に当てたキャッチではないと思った。彼にとっての最良は分からないけど。

ただ、彼の横を通るときカバンにぐっと力を込めた自分もいたし、ゴミを出してその袋を破られて持ってかれてしまった住人とか破れたゴミ袋を見る通行人、風でまってくゴミを走って拾う収集の人は朝から良くない気持ちになるし、やっぱり私はどんな事情や趣向があれ、ゴミを漁ることは彼の最良とは思えないから、やはりここは最良の環境とは言い難い気がした。

せざるを得ないことをするなと言えないから、せざるを得ないことなんてなくなればいいのにと祈りっぽい願い。生粋のごみ漁り好き?趣味悪いね。

最良でないけど、好き。良いものと好きなものは違う。生きること即選ぶことなのだなあ。

非東京に対するコンプレックス

東京へ来て5日。ウィークリーマンションに近づくと、あー帰ってきたなと感じるようになった。特有の香りも認識できるようになった。

あと、私は東京に憧れているらしいことが分かった。

家の鍵をかけてから4分で電車に乗れること。そこから10分もしたら雑誌に載ってるオシャレブランドの旗艦店に着くこと。仕事の打ち合わせに行き放題なこと。やりたい案件がいっぱいあること。下品で頭が悪そうな人間が少ない(目に入らない)こと。免許のない私でも好きな時、行きたい場所に楽に安く着けること。かつての東京生活でできた友人・同志・同業の仲間に会えること。平日の昼間からスーツを着ていない独身アラサー女が1人でPCをいじっていてもジロジロ見られないこと。

憧れてる理由、具体的にはいろいろ持ち上がるのに、どれも決定打ではない。考える余地ありなので、帰る前までに明らにしたい。

しかし、私に東京への憧れがあったことに気づいた、これは大きな収穫でした。

両親と暮らすことが嫌だという理由で逃避行を実行したけど、もし両親と東京に住んでいたなら、ここまで、家出するように逃げるまでには至らなかったのではないか。

分かりかけていたのに!
決意しかけていたのに!
地元嫌いかも、で、急にこじれてきた!

私は東京が好きなんだ。
スペック足りず弾かれてしまうかもしれないけど、スペック足りず弾かれた人でもいることが許される街なんだよね、東京って。

温かいんだか冷たいんだか、寛容なのか無関心なのか分からんけど、いいなあ。大した能力もないのに、会社員じゃないのに胸張って歩けて、住み良いなあ。浜松、嫌い。