急がば回りこんでドロップキック

後藤あいといいます。

久しぶりの電車

3ヶ月ぶりに電車に乗った。

3ヶ月の間、家とコンビニと近所のイオンをぐるぐる回っていただけなんだと思うと、生き物ってのはなんて執念深い固体なんだと誇らしくなる。実家に帰ったりもしたけど、特に家を出ることもなかった。というか、大抵の人間はぐるぐる回ってるだけなんだよな。執念深いぜ。

久しぶりに乗った電車は、思いの外楽しかった。私がつり革から手を離した一瞬の隙にそのつり革を奪った白髪染めでテカテカの髪をしたおばさんとか、金八先生よろしく川の土手を走る金髪女性とか、カーテンを開け広げてどデカいカレンダーを貼っている土壁が覗けるお家とか、おぎやはぎの矢作さんがビール持ってにっこり笑っている広告とかを見ることができた。矢作さんは、一度夢の中でセックスした時から好きだ。意図せずに出てくる脂汗と、運動不足で早くも痛みだしたふくらはぎ以外はなんとも愉快で心地よい。

そもそも私が電車に乗ったのは、予約していた病院に行くという目的があったからで、その病院というのが、前に住んでいた家に近く、今の家からは30分くらい離れたところにあった。3ヶ月間の通院は実家から母親の車に乗って行っていたから、一人暮らしを再開した後の今回は、電車に乗らざるを得なかった。田舎ナンバーの母親が都会を走るドキドキと比べれば、電車に乗って出る脂汗なんて、訳ない。

駅について、まず転出届を出しに区役所へ行った。マイナンバーのことも気になり引越して半年、いよいよという感じ。出不精は1度の外出で複数の目的を持ちたがる。効率的!

区役所の転出届の受理はあっさりしていて、1時間もかからないで終わった。2年間住んでいたというのにだ。半年前の引越してからすぐにあった選挙の時にはわざわざ投票所まで行ったというのに。毎月ポストに届けてくれていた広報誌もかかさず読んでいたというのに。惜しくない?ちゃんと区民としての自覚を持っていた私が、出て行くのが、惜しくないの?人口減るんだよ?税収減るんだよ?「残念ですけど、今までありがとうございました。」の一言で良かった。「至らぬ点がありましたでしょうか?」とかプロバイダー変える時みたいに、さあ!惜しがってよ!これだからお役所仕事って。

私一人ここからいなくなってもどうってことない。身にしみて理解してはいるが、なんだか寂しくなった。お腹が空いていたからだ。よく通っていたラーメン屋で昼飯を食べてひと駅先の病院まで歩いたら、その寂しさはすっかり忘れていた。

今回の外出で一番の発見ポイントだったのが、こんなに人がいるんだ、ということ。みんな服着て、ごはん食べて、すごいわ日本って。お天気ニュースで毎日渋谷のスクランブル交差点はチェックしていたし、Twitterも500人近くフォローしているけど、改めて肉眼で見ると圧倒される。そりゃお金かかるわ、って初めてこの国の財政難を慮った。そりゃ私一人いなくなってもいいわ。やったねポジティブ解決。やっぱり外出るって大切。実感。

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