つけまつげを探せ
友人と磐田のスーパー銭湯に行った。
メイク落とすのが嫌でつけまつげもつけたまま入ったんだけど、途中でどうしても炭酸泉を顔にも塗りたくなって、ボディシャンプーでメイクを落とした。
つけまつげは、レンタルしたタオルにくるんだ。
炭酸泉が気持ちよくて、外も4月並みに暖かかったからって露天に移動した時に、タオルを広げながらブラブラさげているのに気づく。おっと、つけまつげ落とした……!
来た道は戻った。
タオルも念入りにチェックした。
途中、床のアスファルトのシミをつけまつげと間違えて「あったー!」と歓喜した。
そばで騒動を見ていたおばちゃんに何を落としたのか説明して苦笑いもされた。
友人には、本当は100円ショップで買ったやつなのに一緒に探して欲しくて、買ったばかりの高いやつと説明した。
下向きに歩いてるとお尻の穴が全開になるのが嫌で、もう諦めようと思い、意気消沈しながら外に出た。あーあ、このあとのディナー、まつげなしか……と思いながら友人の後ろをもう一度床を見ながら歩いた。
友人が振り返った。彼女が笑った。
しばらく笑っていた。ついていけない私は彼女を観察していると、どうやら私のアンダーヘアを見て笑っているらしい。なんだか恥ずかしい、お前にも生えてるだろうが。
無意識だった、彼女の視線を追ったのは。
私のアンダーヘアにつけまつげがまぎれて、つけまつげがつけアンダーヘアになっていた。ボリュームいらないのにね。あんなに風呂じゅう探したのにね。
恥ずかしさを隠すように恥部を全開にして笑った。つけまつげにはウォータープルーフのノリを使っていたから、剥がすときは少し痛かった。
風呂に上がってディナー用にメイクをして、今、そのつけまつげは私の目の上についている。