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急がば回りこんでドロップキック

後藤あいといいます。

白濁液と世界平和

日常

私の肌を見かねたのか、フェイスマスクをいただいた。

乳液みたいな、柔らかいクリームみたいな白色の液に浸っていた。チャックを閉め忘れることが頻発して、買った時よりもきっとだいぶ乾いているだろうお徳用のフェイスマスクを使っていたから贅沢な感じがする。

パッケージの裏側に書かれていた規定の時間を過ぎてもまだぴたぴたしてたから、顔から剥がしてからそれを絞り、首やら二の腕やら膝やらに塗ろうじゃないかと。

布団の上で絞ったら、思った以上に液が残っており、手からあふれてシーツの上にこぼしてしまった。

スペルマみたいだと思った。そして、そういえば久しくSEXしてないなとも思った。久しぶりに見たわ。白濁液がシーツの上にこぼれ落ちて、それを囲うようにシーツが色を濃くしてサイパンの島を上から見ましたみたいになってるの。

茶色のシーツだからまだいいけどやっぱり残るんだよなー。カリカリするんだよなー。シーツ洗ったばかりなのになー。悔しいよ。自立する個人同士の中に本当の愛は生まれるという主旨のエッセイを読んだばかりだったが、とっくに私は自立している。なのに愛が生まれない。だから、私はひとりで生きていくための決意を固めながら、老後の不安に押しつぶされそうになる夜を経験するんだ。

中学校2年生。1番前の席に座って授業を受けていた時、好きだった英語の先生の唾が私の手の甲に飛んできて、悩んだ挙句、手の甲を舐めたことがある。今だったらしない。自立しているからだ。

最近、急激に生命力が湧き出してきて、だれかを幸せにしたいと思っている。しかし問題なのは、それを向かわせる先が見当たらないことだ。惜しいでしょ、実に惜しい。慈悲を持て余しているんだよ。だから世界平和なんか、そんな大それていて掴めないような概念を夜な夜な考えて、同じく使い道のないお金をユニセフに寄付しちゃうんだ。悪くないけどなんか違う。世界の平和はまず隣人を幸せにすることから始まるってキリストも言ってたけど、隣の人がいない場合はどうすればいいのかキリストは教えてくれない。野に咲く花を愛でましょうか。何気ない1日に感謝しましょうか。階段を登っている人のスーツケースを一緒に持ってあげましょうか。

手に残った乳液を全身に塗って、もちろん手の甲にも塗って寝た。翌日、しっとりした肌に触れたら、女性ホルモンを感じる。やっぱり昨日塗ったのはスペルマなのかもしれないと思った。