急がば回りこんでドロップキック

後藤あいといいます。

理解しがたい煙草

700系のこだま673は本来の力を出さないまま、駅が見えれば止まろうとする。律儀で、バカで、こういうのは謙虚と言わないのになあ、と私は思う。ひかりに抜かれるのを待って、ちょっと悔しそうなのだ。

どうしても座りたくて、でも金曜の夜だから空いてなくて、喫煙車両の指定券を買う。

私の乗る、1番後ろの臭くて茶色い16号車は、所在無げに、それでも置いてかれまいと必死に、連結していた。自由席の雑多とデッキに立っている疲れた人を抜けるとあるそこは、キンと静かなのに、その中に座っている人は16号車がいつか力尽きて連結を辞めてしまわないか、目的地までたどり着けるかどうか不安がってソワソワしているように見えた。

そんな時は一蓮托生、とかいう喫煙者たちの団結力を感じて、加わる。喫煙者は、新幹線の外でもそういう感じだから、みんな。

掛川で降りる時、羨望の眼差しさえ感じた。降りた人は追わない。追えない。降りたいのに。本当は目的地なんてないのだし。

これから実家に帰る。

実家では禁煙成功者として名が知れてるから、束の間の解放を味わうことができる。体調いいなあ、このまま辞めよう、って思った後、毎回掛川のキヨスクで煙草を買う。毎っ回。久しぶりの1本は、喫煙所のアクセスの悪さと煙草の不味さが際立つのに、ポケットの中の19本が甘い声。負ける。毎回。

今回こそは、勝ちたい。今日から禁煙成功者。。

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