急がば回りこんでドロップキック

後藤あいといいます。

20170806

実家で暮らすのが嫌になった。

だから、ちょっと、10日間くらい、東京の、私の稼ぎではきっと住めない場所にウィークリーマンションを借りて、暮らすことにした。

逃避行といえば夏らしくって粋なのだけど、逃げるだけです。

見ないふりできなくなった自意識
かといってはっきりしない
縛られている感じがして
監視されてる感じがして
我慢ならなくなって振り返ると目線を逸らされて
私以外のせいにすれば楽でした
善意がイヤらしい
9年の一人暮らしで蓄えたわがままですか
私は一体何に苦しんでいるのですか

家族というものが分からなくなったと母親に言ったら、最近眠れないのも食べられないのも私たちのせいなのかと思っていたんだと泣きながら、一人になって考えてみなよと返された。この時母親は、考えすぎる私の欠点を、まるっと受け止めた。明け方二人で泣いて、遠くで父親がテレビの電源を入れた音が聞こえたんだ。ああ、父ちゃんってこんな早く起きるんだなって。

逃げる先が東京というのも、いささか語彙なし女風。

今は、青ネギを切った包丁を上向きに持ち替えることをしなかった自分が、ただ新幹線に乗っているだけだ。