0勝12敗アラサー、運営スタッフと婚活パーティを語る
新宿の婚活パーティーを手始めに、もう12回婚活パーティーで惨敗している。
私がよく行くのは、参加者全員とそれぞれ1対1で3分くらい話す会。最後に気に入った人の番号を最大5つ書くんだけど、両思いなら会場の外で連絡先交換したり、そのまま遊びに行ったりするらしい。
行く、だめ、今度こそと行く、だめで、12回。
私の審査が厳しいわけでもない
プロフィールカードに趣味は料理と書いている
話もちゃんと盛り上げる(初対面の1対1は強い)
他の参加者見てわかったけど、
ブスだからマッチングしないわけでもない
会社員でないからでもない
4敗目あたりから、男という人間を観察することを目的としていたから特段傷つくこともなくなっていたのだけど(言い聞かせている)(本気で婚活している人には失礼極まりない話ですすみません)、でも、どうして私がこうもことごとくマッチングしないか、わからないままでいた。
で、ところは、新宿のNewman。
このブログを読んでくださっている方とお話する機会があり、突然こんなことを言われる。
「婚活パーティ、今も行ってるんですか。あれ辞めたほうがいいですよ。」
かつて婚活バスツアーの運営スタッフをされていたかただった。そして、いろんな参加者を観察したら、マッチングする人の共通点を発見したという。
- 笑顔
- 女性らしい服装
- 姿勢の良さ
この3つが揃っているだけで、マッチングするらしい。
女性らしい服装というのは、膝丈スカート、洗濯面倒なブラウス、パステルカラーとかがキーワードみたい。セントフォースの人がよく着てるやつと私はイメージしている。
あと、異性でなく同性を観察する捨て回を作るといい、趣味料理はありきたりだから掃除がユニークで目につきやすい、とも。
私はこれを聞いて、そんなんでマッチングしても全然嬉しくないと言った。そんな自分じゃない姿で好かれたって今後へ続く気がしない。これを教えてくれたかたも、そういう意図で辞めたほうがいいと言ったんだった。
この3つのポイントに私の魅力が隠れてしまいやしないか?
とはいっても、私が異性と出会う場など婚活パーティーくらいしか思い当たらず、その婚活パーティーでマッチングしない限りはその魅力を伝える術さえない。
そんなワガママ言ってる場合ではないかもしれない。
貫いて価値あるほどの魅力など私にはないかもしれない。
なんか婚活パーティーってゲームみたいだなって思うと、1回攻略したいと思ったりするんだけど、やっぱり私はもうちょっとって、落としたハンカチ拾ってくれる王子を待つことに決めたのであった。
0勝12敗で一時打ち止めです
私と彼は一生の友達
友達と飲み会した帰り、下戸の元彼が車でウィークリーマンションまで送ってくれることになった。
相乗りしてた友人が出発早々に嘔げる。
条件反射のように運転手が窓を全開にすると、ミストのように降っていた雨が私たちの髪と顔、車内を徐々に濡らしていった。
運転手の元彼、助手席の友人、吐物にまみれながら寝ている友人の隣に座る後部座席の私。くさいとか最悪だよとか言ったところで状況は何にも変わりゃしないことはその場の全員が知っていた。
だから、申し訳なさそうにある吐物をないものとみなすことを3人が暗黙のうちに決めて、風の音に負けないくらいの大声で、話に熱中するフリをしていた。話した内容はおそらく誰ももう覚えていない。
彼女が降りてからも、残して行った彼女の吐物は一切話題になることのないまま、走る。無言だった。
助手席の友人の家に着く。彼女は彼へお礼と少しの慰めを言って降りた。また遊ぼうね〜とみんなで言って、車は彼女を残し、走り出す。
元彼と二人きりになった。
徐々に我が強くなる吐物のこと、最悪とか、勘弁してよとか、そういうのはまだ言わない。
そのまま私をウィークリーマンションまで送り届けて、彼は人知れず吐物に吐き気を誘発されながらこれから自宅まで1時間半走り、高いお金を出して内装クリーニングするんだろう。
私は「一人で他人のゲロ掃除するなんて絶対虚しいって」と言って、これからクリーニングをしてくれそうなスタンドに片端から電話して探す。
本当は彼ともう少し一緒にいたいだけなんだけど、その気持ちは絶対バレてはいけないと思った。
ただ、夜の3時過ぎにクリーニングしてくれるところなど見つかるはずもなく「もういいよ、ありがとう」の一言で、私たちはウィークリーマンションへ向かうことになった。私は無念さをまとって助手席に座っていた。
ウィークリーマンションの近くに着く。
「また東京きた時にみんなで遊ぼう」
と言う。
ここで降りたら多分もう、一生、私は彼と二人きりになることはないと直感していた。
「これから1時間半つらいけどがんばってね」
感情を殺し、明るく優しく言う。
すると彼は、
「割と我慢の限界だから、近くのパーキングに停めて、少し散歩する」
といよいよ本音を言った。
名残惜しいせいで私はそれを誘われているのだと解釈する。
お供していいか聞くと、了承してくれた。
私の好きな幡ヶ谷の甲州街道、二人で歩くのは初めてだった。
私が笑かそうとして、彼が笑う。付き合ってた時みたいに。
他の誰に対しても向けられない顔を、私はしていたと思う。
懐かしくて、嬉しくて、はたと彼が既婚者であることを思い出して、無意識に近づけていた手を体ごと離す。彼と奥さんが離婚したら、彼は私と結婚してくれるのかなと思ったけど、考えるのはすぐに辞めた。
雨が強くなっていく。
私はその雨を口実に使って、「うちでちょっと休むかい?」と提案した。
彼は間髪入れずに断ってから、言った。
「でもずっと2人で話したいと思ってたんだよね」
「そんなのいいよ、私はもうちゃんと未練を断ち切れているんだから。」
もう彼と話すべきことなどないのだ。自分の言ったことに悲しくなって、ここで涙が出る。バレたくなくて、明るく言う。
「未練を断ち切るのにどんだけ苦労したと思ってんのよ〜。今更話すことなんて特にない」
ダメにしたのは私なのに、そんなヒロインの言う台詞みたいなこと平然と吐ける私に嫌気がさす。涙を止めることはできないでいた。
なんだか噛み合わない会話の中で、いよいよズルズル言い出した鼻を彼は耳で感知して、言った。
「友達じゃダメなのかな。」
発言の意図が理解できない。
「分かってるのよ、それは。近くにいなくたって、連絡とらなくたって、何をしてるか分からなくたって、私たちは一生、友達なんだよね。分かってる。」
「そうか、それならよかった。」
そうだった、そうだった。分かっていたのに、忘れた。良くないね、好きなんだ。思い出すと好きになる。だから思い出さないで、友達でいるんだ。
彼と友達でいるには、二人の幸せを祈るには、近づいてはいけない。知ってはいけない。そうすれば一生の友達なんだから。
最近仕事で勉強したんだというマッサージを歩きながらしてくれた。上手くて、優しくて。前戯の前にしていたスキンシップとはまるで違った。お返しにすると、上手くなったじゃんと言った。私は私で別れてから違う人生を歩んだんだよ。
ウィークリーマンションのエントランスで別れ、家に着いて、メイクを落としてから、洗面台の鏡を見て、本音を言う。
「彼と彼の奥さん、一生幸せでいてね」
「あと、散歩くらいは許してください」
逃避行の目的と消極的楽観
アイスコーヒー飲んで、案の定眠れなくて、仕事をして、寝て、起きたら日曜のお昼だった。
それでもお腹は空く
東京はピザ以外にいろんなデリがあっていいなあ。選ぶのが面倒になって、一人暮らし時代にお世話になっていたピザを。
待っている間、しなきゃいけない仕事を見ぬふりして、久々にTVをつける。
暇つぶしのためにTVをつけたその行為が久々だったことに、この時初めて気付いた。
東京にいた頃は帰ってきたと同時にTVをつけるくらいのTV好きだったのに、TVが自由に見られない環境(自宅の部屋にはTVがないしリビングで家族とTV見るのは苦手)になると見なくても大丈夫になるもんなのですなあ。
TVを見ながら布団の上で、ピザを食らう。おいしいのかもよく分からない。TVに映ってた番組の内容はこれっぽっちも思い出せない。
誰得情報:後藤あいが好きなTV番組
くりぃむナンチャラ
お笑い向上委員会
のど自慢
ノンフィクション
水曜日のダウンダウン
脱力タイムズ
昔の凶悪事件蒸し返す特別番組
これだけは毎回見てる!好き!
(BSをチェックするほどではないけどTVは嫌いじゃないのです)
さーて仕事!!のはずだった
ピザを食べてTVを寝転がりながら無感情で眺めていたら、夕方になった。カラスが鳴くから帰ろうっていう曲の時報が聞こえて17時を知る。
え、もうこんな時間かい
大きめの独り言を言って、焦って体を起こし、洗濯。
本日の結末
お盆のうちにたっぷり仕事するぞ!
この旅の目的である家族についてのこれからを考えるぞ!
見たくもないTVを見ていたら、そんなのしないまま、夜になって、眠くなった。
東京ぽいおしゃれカフェで仕事しようと思って、シャワー浴びて化粧までした。
22時に出よう
23時に出よう
やっぱり今日は寝よう
総評
私の怠け癖は、環境を変えても、自称確固たる決意をもってしても、高ーい滞在費を払っても、変わらないようだ。
ライザップの時はたった2ヶ月がんばれないのかと思った。そして今日はたったの2週間をがんばれないのかと、自分にほとほと呆れていた。
人間は簡単に変わらない。
家族との関係を、離れて冷静に考えたいと東京に来た。
ここの居心地が良くて、考えることの重要性と必要性を忘れて、怠。きっと帰ったらまた同じように実家が嫌になる。
ちょっとそんな予感がし始める。
気づいた時、さあここから頑張りましょって思う。
でもその決意もすぐに忘れちゃうんだろうなってのも思う。
休暇とみなして、考えなきゃいけないこと、とりあえず忘れて今を没頭するのもまあ、意味ないことじゃないよな、と消極的楽観。
何で悩んでいるのかも、分からなくなって来ていた。
キスのあとのアイスコーヒー
なにかと気にかけてくれて毎回ご飯を奢ってくれる先輩の鏡みたいな先輩が、私にもいる。
彼はいつでも私の味方でいてくれて、確固たる信念と共に生きてるかっこいい先輩。彼と話すと自分がとんでもないダメ人間に思えて、悩んでないのに私悩んでたっけ?ってな気持ちにもなる。
せっかく東京行くんで会いたいって誘って、下北沢の、彼っぽいおしゃれなダイナーでピザをつまみにお酒を飲んだ。
帰り際、彼は私に、キスをした。
昔、良い女はキスのハードルが低いんだよね〜っていう自分には到底理解のできない、ていうか理解したくもない法則を百戦錬磨系の人に教えてもらってから、良い女を演出したいという理由だけでキスは避けずにするように心がけているのだけど、今回もその法則がよぎったんだった。
彼は、
「結局俺ってそうなんだよな〜」
と言って落ち込みながら謝っていた。
「いいですよ、全然」
「私もドキドキしてる」
「彼女がいなかったら、朝まで一緒にいたかった」
心にもないことを平気で言う。
罪悪感を感じて欲しくない。
彼にとって楽しい時であってほしい。
どうせ、明日になったら忘れてしまうんだから。
どうせ、奥に控えるのは性欲なんだから。
駅までの道を速度を落として歩きながら
私にもあったモテ期(軽微)時代を知っていた彼は、
「数々の男があいちゃんで落ちた理由がわかったよ」
と言う。
彼本位だったキス。それを私のせいにしてるような気がして、ちょっと腹が立つ。
好きな先輩が。貴重なプラトニックな男友達が。キャリアのこと、哲学っぽいこと、人生のこと、いろいろ話したのに、私にはインパクト強くてそれしか残らなかった。どいつもこいつも。悔しい。悲しい。残念。
帰って寝る気になれず、遠回りしてカフェに寄る。注文を聞きにきた店員さんの笑顔に感情を見ることができず、私は笑顔でアイスコーヒーを頼んだんだった。
眠気を取り戻したくて寄ったカフェで頼んだアイスコーヒー。苦くておいしくて、一気に飲み干した。
やっぱり私が悪いんでしょうか。